主将交代・・・?このタイミングで?

本日(4/5)、バレーボールの2021年度男子日本代表登録選手24名が発表されました(公式及びバレーボールマガジンの記事)。この発表を見ていろいろと思うところはあるのですが、今回は2点に絞ります。

まず第1点。昨日閉幕したV.LEAGUE DIVISION1でシーズンを通して素晴らしい強さを発揮し優勝したサントリーサンバーズの選手が、妙に少なくありませんか?確かにムセルスキー選手の貢献が大きかったことは否めませんが、それは優勝できなかった昨シーズンも同じこと。今年は柳田将洋選手がチームに復帰したことでチームの取り組み方に根本的な変化が生じたこと、それが優勝の原動力となっただろうことは山村監督や主将の大宅選手のコメントからもうかがえます(https://vbm.link/53279/3/)。

また、試合の中継等でも触れられていましたが、今年は(柳田選手の)バックセンターからの bick を効果的に使うためには何をするべきか、ということにチームとして取り組んできたそうです。その結果何が起こったかというと、柳田選手のbickはもちろん、それに伴って藤中謙也選手のbickや小野遥輝選手のクイックも効果的に使えるようになり、それが勝利に結びつきました。もちろん、それらをどう使うかという点で、大宅選手のトスワークの進化も見逃せません。

それなのに登録選手が柳田・大宅両選手の2名だけとはちょっと寂しくないですか?もしかしたらチームや選手が辞退したのかもしれませんが、どうも釈然としません。サントリーサンバーズの優勝はムセルスキー選手が勝ち取ったもの、という偏見がどこかにある気がしてなりません。

そして2点目。主将が柳田将洋選手から石川祐希選手に交代しているんですよね。
最初に断っておきますが、石川選手が主将にふさわしくないと思っているわけではありません。立派にその責任を果たせる選手になっていると思っています。ただなぜ東京オリンピックを迎えるその年にわざわざ柳田選手から代える必要があったのか、これまでの4年間は何だったんだろう、というモヤモヤがつきまとうわけです。

柳田選手のキャプテンシーはこの4年間を見れば誰でも認めるレベルであることは明らかですし、上記のバレーボールマガジンの記事における山村監督のコメントから、今でもその点に変化がないことは明らかです。

ここから先は本当に個人の邪推レベルですが、もしかしたら日本バレーボール界の悪癖がまた顔を出そうとしているのかな、と思ってしまっています。

古いファンの方ならご存じでしょうが、日本バレーボール界は男女を問わず海外に目を向けた選手を基本的にメインストリームから排除する方向で動いてきました。特に知名度の高い男子選手でいえば、加藤陽一選手や越川優選手に対する扱いが挙げられます。実力的に代表の中核を務められるはずなのに招集されない、そんなことがありました。それがどんな「大人の事情」によるものか、男子バレーに関しては公の場での発言は記憶にありません。ただ女子については、2004年アテネオリンピック女子バレーボール日本代表チーム監督であった柳本晶一氏がインタビューでその闇の一端を明らかにしたことがあります。この記事で取り上げられている例は海外に目を向けたことが原因ではありませんが、代表チームの選考は実力だけでなされるものではなく「天の声」の影響もあることがわかります。

こういったことを考えると、海外に目を向けた柳田・石川選手を苦々しく思っている「お偉方たち」が今も同じように、二人ともは無理にせよ一人でも・・・主将から外せば必ずしも選出する必要はない・・・といった闇を心の中に抱えているのではないか、と勘ぐってしまったりするわけです。

東京オリンピックで男子日本代表の試合のチケットを持っていることもあり、個人的にはオリンピックという舞台で躍動する柳田・石川両選手の姿を見たいと思っていますし、強豪国相手に二人のサーブが爆発する場面も期待しているだけに、これが杞憂であることを祈るばかりです。