S2ローテーション
さて、今回はS2ローテーションについての話題です。
まずおさらいですが、S2ローテーションはセッターがコートポジション2にいるローテーションです。現在主流である バック・オーダー を前提とすると、下記のようになります。
では、このローテーションでの レセプション・フォーメーションはどのようにするのがよいかを考えます。この時に考慮するポイントは以下の通りです。
1.レセプション要員は基本3名
2.守備のスペシャリストであるリベロは、可能な限り3名の真ん中に配置
そこでまず、リベロをOH2名の間に配置することを考えてみましょう。リベロをポジション6(バックセンター)に配置すると、後衛OHは必然的にポジション5に配置せざるを得ません。後衛OHはリベロよりも左側に位置していないとルール上問題になるからです。そうすると前衛OHがポジション1に配置されることになります。その結果、レセプション体形は下図のようになります。
これを見て既にお気づきの方も多いと思いますが、トップのカテゴリーでも苦手とするチームが多いS1ローテとほぼ同じになってしまうんですよね。しかもS2ローテでは自陣レフト側にいるサイドアタッカーが二人とも後衛なので、前衛レフトから攻撃するためには、ポジション1から前衛OHがレフトサイドへ移動する必要があります。やっとS1ローテを回したのに、もっと面倒な状況になるのは避けたいところです。
そこでリベロを真ん中に置くことにこだわらない場合を考えてみましょう。この場合も、後衛OHがリベロよりも左側に位置していないといけませんから、リベロはポジション1に配置することになります。問題はOHのどちらをポジション6に配置するか、ということになります。
では前衛OHをポジション6に配置するとどうなるでしょうか。
出来ないことはないと思いますが、OPがライト側へ長距離を移動しなければならない点は先ほどと同じですし、また前衛OHがレフト、後衛OHがバックセンターから シンクロ攻撃 に入ることを基本として考えた場合、あまりメリットがあるフォーメーションとは思えません。さらにはポジション4と5の境界(MBの後ろで後衛OHの前)にショートサーブを打たれた場合、レセプションをする後衛OHが攻撃に入るためにレフト側へ移動する前衛OHの動線を塞ぐ形になったり、二人のOHが交錯するリスクも生まれてしまいます。結果として残るレセプション・フォーメーションは下図の通りです。リベロこそ真ん中に配置できませんでしたが、これならばOPの移動距離も短くて済みますし、両OHも攻撃に入るスロット付近に位置しているため、レセプションしてから助走に入る場合の時間的余裕も作りやすくなります。
S2ローテのレセプション・フォーメーションについては以上となります。次はS3ローテについて見ていく予定です。