S1ローテでOPがライトへ回る場合

ほぼ5ヶ月ぶりにS1ローテにおける レセプション・アタックの話の補足を書いて、S1ローテについては締めくくりたいと思います。

前回(といってもかなり前ですが)の最後に、左打ちのOPをライトに走らせるパターン2つを取り上げました。そのうちの1つがこれでした。
OPのライト移動1後日、この図を見ていたときに、このケースでのレセプション・アタックを考えると、このレセプションのフォーメーションよりも適したものがあるのではないか、と思うようになりました。

ポイントになるのは次の点です。
1.前衛OHがポジション1でレセプションをする理由は主に2つありました。まずOPが前衛レフトから攻撃するときに、ライト側から打つサイドアタッカーが必要なこと、次になるべくリベロがレセプションをする3名の真ん中にいるのが望ましいこと、です。
2.ところがOPをライト側へ走らせるなら、ライトにサイドアタッカーが二人いても意味がないため、前衛OHはレフトから打つことになります。そうなると必然的に、前衛OHは相手のサーブを誰かが受けた後、レフト側に移動して攻撃参加することが必要です。
3.そのため、前衛OHはなるべく最初からレフト側に寄っておき、移動時間を短くしたいということになります。

この3点を考慮した場合、S1ローテにおいてOPをライトに走らせる時のレセプションのフォーメーションは、下図の方が適していると考えるようになりました。
OPのライト移動3(修正版)一見すると前衛ライトのOHが後衛センターのリベロよりも左側にいるので、ポジショナルフォールト と思われてしまうかもしれませんが、これでも前衛は左からOP→MB→OH、後衛はOH→L→Sの順となっており、前後の関係もOPとOH(後)、MBとL、OH(前)とSで保たれています。
難点を1つ言えば守備のスペシャリストであるリベロが真ん中にいないということですが、最近の流行であるポジション2へのショートサーブへの対応を考えた場合、アタッカー同士の交錯のリスクなども考慮すれば、リベロがライト側にいることがメリットになる可能性もあります。

S1ローテで左打ちのOPをライトに走らせるチームがどのようなレセプション体形を取っているか、これから注目して見てみるのも面白いのではないかと思います。

さて次回以降はしばらく、他のローテでのレセプション・フォーメーションを順番に見ていく予定です。