29年ぶりの再会

東京オリンピック、バレーボール日本代表は男女ともに予選での全ての試合を終えました。
結果は男子が3勝2敗プールA3位で決勝トーナメント進出、女子が1勝4敗プールA5位で決勝トーナメント進出ならず、となりました。日本のバレーはずっと女子は強いのに男子は弱いと言われ続けてきました。男子バレーが好きなブログ主としては悔しい思いをしてきた時間も長かったため、ベスト8以上確定という今回の結果には、男子代表チームが本当によく頑張ってくれた、おめでとう、そしてありがとうという思いでいっぱいです。この数年間、なかなか結果が伴わない時期もありましたが、男子日本代表が取り組んできた強化方針が合理的であり正しかったゆえの準々決勝進出だったと思います。

ベスト8進出は1992年のバルセロナオリンピック以来です。記憶が間違っていなければ、予選最終戦でカナダ相手にフルセットを戦い勝利して決勝トーナメント進出を決め、準々決勝でブラジルに負けて終戦。そして今回の東京オリンピックは、予選最終戦でイラン相手にフルセットを戦い勝利して決勝トーナメント進出を決め、準々決勝でブラジルと対決・・・ってよりによってまたお前かよ!という感じで次の相手はブラジルです。

わざわざ紹介するまでもなく、ブラジルはリオオリンピックの優勝チームであり、その後の大きな国際大会のタイトルをポーランドと分け合っているとんでもなく強いチームです。しかし男子バレーが世界のトップレベルまでたどり着くためには、乗り越えなければならない壁の一つでもあります。明日の準々決勝で勝つことは確率的には厳しいものがありますが、日本にはどのような点が足りないのかをオリンピックのトーナメントという相手も真剣勝負をしてくる舞台で感じられることは、まだまだ若い選手が多い日本男子代表にとって次のパリオリンピックに向けて貴重な経験になると思われます。

さて、イラン戦を振り返りたいところですが、昨日の勝利が長年待っていたものだっただけにまだ冷静に振り返れそうにありません。特に印象に残っているシーンを2つだけ上げると、第4セットだったと思いますが、清水選手が関田選手に代わって前衛レフトで入ったシーンと第5セットのスタートでしょうか。
まず第4セットのシーン。20点過ぎに清水選手が入ってコート内にセッターがいなくなり、西田選手のサーブから相手のレセプションアタック、それを清水選手が必死に拾って石川選手が打つもブロックに跳ね返され西田選手がカバー。カバーした西田選手はすぐにライトへ回り打つ体勢に入りました。これによりイランのブロックは西田選手も警戒せざるを得なくなり、結果的に小野寺選手がレフトの石川選手にあげたときにブロックが対応しきれず石川選手のスパイクが決まりました。日本が先に2セットを取られ、第4セットも1点を争う展開だっただけに、この1点は大きかったと思います。
さらに第5セットのスタート。いきなり石川選手のサービスエースで連続得点。これで一気に日本が波に乗りました。この試合は、第4セットまでにここはサーブで勝負したい!と思う場面がいくつかありましたが、この石川選手の連続サービスエースのおかげでそれが致命傷にならずに済みました。今大会、石川選手はどうもベストの状態ではないように見えていて若干の不安も感じていましたが、勝負のかかった場面ではしっかりと決めてくるのはさすがとしか言いようがなく、完全に脱帽です。

13時間後ぐらいに迫ったブラジルとの準決勝はどうなるのでしょうか。強いチームに対して勝機を見いだすためにはまずサーブです。日本が必死に食らいつき、わずかなチャンスをつかんでリリーフ・サーバーの連続サービスエースで逆転!なんて夢も見てみたかったところですが、それは今後の日本代表チームの楽しみに取っておくとします。まずは明日、前回のオリンピックの優勝チームであるブラジルとどんな戦いを見せてくれるのか、それを楽しみにしつつ精一杯応援します。