オーバーハンドパス

昨日、春高バレーが無観客、入場行進なしなど異例な状況ではありましたが無事に始まりホッとしています。また前回の記事でもご紹介したように、SPORTS BULLのサイト等で全試合がリアルタイムで配信され、また終わった試合のフルマッチ・ハイライト動画も見られるなど、ニュース等で扱われない限り翌日の新聞を見るまでは結果すらわからなかった時代を知っている者としては隔世の感があります。おかげさまで自分も仕事中にPCの画面の隅にリアルタイムの配信の画面を出して、年の初めからバレーを楽しませてもらうことが出来ました。

ただ試合を次々と見ているうちに。主に女子の試合で非常に気になる点がありました。それが今回の記事のタイトルである、オーバーハンドパスに関することです。率直に言って、「今のプレー、 キャッチ・ボール (以前のホールディング)じゃないの?」というプレーが多すぎたように感じました。特にオーバーハンドでセットする機会の多いセッターを見ていると、自分が審判として笛を吹いていたら、ことごとくキャッチ取りそうだな、と思うチームが少なくなかった、というのが正直な感想です。
またラリー中のチャンスボールを処理する場面や リベロ がセカンドセッターとして機能する場合にも同様な印象を持ちました。春高という、高校バレーのカテゴリーでは最高峰の大会に出場する選手たちなので技術レベルは高いはずなのに、そういったことが気になってせっかくの試合に集中出来なかったのは残念でした。
※ラリー中のチャンスボールを処理する場面 (42分19秒あたりから)
https://sportsbull.jp/live/haruko/zenkoku/1291/
※リベロがセカンドセッターを務める場面 (2分39秒あたりから)
https://sportsbull.jp/p/921361/

でもこれは、選手個人の問題ではなく受けてきた指導の問題だと思うのです。実際に男子や女子でも少なくないチームで、セッターはしっかりとボールを弾いてセットアップしていました。

とはいえ、オーバーハンドパスのハンドリングでは、よく「手に入れる」という表現が用いられる技術があることも承知しています。昨年末には、Twitterで「持つ」「手に入れる」といったことに関する興味深い議論が行われていたのを見つけました。読ませてもらった限りでは突き詰めればこの区別は大変難しいものがありそうです。
※上記の議論中に、実際にトップレベルでプレーしている方から挙げられていた動画
https://twitter.com/zac920/status/1344158349399531522

厳密に言えば、オーバーハンドパスで全ての指が完全に同じタイミングでボールに触れること自体があり得ないのでしょうが、それを反則とすれば全てのオーバーハンドパスが ダブル・コンタクト になってしまい、バレーボールという競技自体が成立しない、少なくともオーバーハンドパスは使えないということになってしまうでしょう。ゆえにどこで線引きするかということになるのでしょうが、個人的には少なくともしっかりと弾いていないオーバーハンドパスはいただけないなあ、と考えます。